第32回管理栄養士国家試験 飲酒に関する記述である(社会・環境と健康)
こんにちは。Ayamamaです。
このブログを見てくださっている方に分かりやすい解説をするために私が国家試験を受ける前に勉強していた過去問を見ていきたいと思います。
今日も第32回管理栄養士国家試験(社会・環境と健康)について解説していきたいと思います。
では、早速問題を見ていきましょう。
問題
飲酒に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)長期にわたる多量飲酒は、骨粗鬆症のリスク因子である。
(2)適正飲酒は、HDLーコレステロール値を低下させる。
(3)アルコール依存症の発症リスクは、飲酒開始年齢と関係がない。
(4)総死亡の相対危険は、飲酒量がゼロの時に最も低い。
(5)飲酒した未成年者は、未成年者飲酒禁止法により罰せられる。
どこが間違っているか見ていきましょう❕
(1)長期にわたる多量飲酒は、骨粗鬆症のリスク因子である。〇
解説
骨粗鬆症:骨の無機質(カルシウムなど)と有機成分(コラーゲンなど)が減少し、骨吸収が骨形成を上回り、骨量と骨密度が低下し骨が脆くなった状態
+α☝
糖尿病、CKD、クッシング症候群、副腎皮質ステロイド薬の長期投与なども骨粗鬆症の原因となります。
(2)適正飲酒は、HDLーコレステロール値を低下させる。
正しくは→上昇
解説
HDLコレステロールはアルコール摂取量の増加に伴って増加します。適量の飲酒(男性で1日日本酒換算1合ぐらい)であれば、血圧を上げずにHDLコレステロールが増加するため、脳血管障害・虚血性心疾患の発生率を低下させるといわれています。
www.e-healthnet.mhlw.go.jp
(3)アルコール依存症の発症リスクは、飲酒開始年齢と関係がない。
正しくは→関係あり
解説
飲酒開始年齢が若い程、将来のアルコール依存症のリスクが高くなります。
(4)総死亡の相対危険は、飲酒量がゼロの時に最も低い。
正しくは→少量飲酒の方がリスクは低い
解説
お酒を飲んでいる人は飲んでいない人に比べて死亡のリスクが高いと思われがちですが、飲んでいる人の方がリスクが低い事があります。
このグラフは、お酒を飲んでいない人に比べて少量飲んでいる人の方がリスクが低く、さらに飲酒量が増えれば飲んでいない人よりリスクが高くなるというパターンです。このようなグラフは、J字型曲線(Jカーブ)またはU字型曲線(Uカーブ)と呼ばれています。
次はこのグラフを見ていきましょう⤵
図を読み取ると⤵
男女とも外傷や外因死以外は、総死亡、がん、心血管疾患でJ字型曲線(Jカーブ)が見られます。総死亡で見ると男女とも1日平均23g未満で最もリスクが低くなっています。
(5)飲酒した未成年者は、未成年者飲酒禁止法により罰せられる。
正しくは→親権者、監督代行者、営業者
解説
未成年飲酒禁止法:1922年3月30日に制定され、未成年の飲酒を制止しなかった親権者、監督代行者には科料が科され、未成年に酒類を提供・供与した営業者には50万以下の罰金が科される
解答(1)
解説はここまでにしたいと思います。
分からなかった部分や間違った部分は理解出来たでしょうか❔
未成年飲酒禁止法などの法律は、いつ作られたのか、どのような内容なのか覚えておくとすぐに問題が解けるので、頭に入れておいた方が良いと思います。
では、次回の記事でお会いしましょう👋
以上、Ayamamaでした❕